夕暮れのオフィス街に溶け込むように

いつの間にか5月になっていてびっくりする。気がつけば3ヶ月弱もここに来ていなかった。

ブログを書いていなかった間、新人OJT期間が終了して社会人2年目にぬるっと突入したり、初めて住む街で初めての一人暮らしを始めたりした。一人暮らしを始めてから、毎日とにかく色々なことをググりまくっている。スーパーで買ってきた肉の保存の仕方、ゴミの捨て方、台所の排水溝の掃除の仕方…などなど。これまで20数年生きてきたけど、本当に知らないことばかりだと思った。まだ一人での生活を始めて1ヶ月と少ししか経っていないが、今のところは、「生活」を自分の力で進めていくということそのものが、とても楽しい。

書いていなかった期間も、印象に残った出来事を書き溜めていたので、箇条書きで書いていく。

 

・2/19、大学のゼミの同期と卒業式ぶりに会った。会うことになったきっかけは、『偶然と想像』を同じ日に見に行っていたことで、感想のやり取りをしているうちに、久しぶりに会おうということになった。ゼミの同期たちとは、共通のコンテンツをきっかけにして今でも時々連絡をとりあう仲でいられることが嬉しい。カフェでお茶をしているときに、最近聴いているラジオ番組の話になった。(彼女は、こういう話ができる数少ない友人でもある。)その中で、「過去の放送回を聞き返すと、その当時、自分が何をしながらその話を聴いていたのかについて鮮明に思い出せる」という話で共感しあった。私の場合、特に外を歩いている時に聴いた話は、どこの道をどんな風に歩きながら聴いていたのかまで、とてもとても具体的に思い出すことができる。ずっと不思議だったけど、同じ体験をしている人がいるのはますます不思議な気持ちだ。以前「あちこちオードリー」で星野源さんがゲストだった時に、「感情は道に焼きつく」という話をしていたことがあった。その言葉が今でも印象に残っているのだが、これも似た現象なのだろうか。

 

・2/23、美容院で、『ダヴィンチ』の朝井リョウとDJ松永の対談を読む。その対談の中で、二人でいるときに「人が死ぬということ」についての話になったことがある、というくだりがあったのだが、その中で、DJ松永が死にたくない理由について、「こんなに配置やデザインを考えて揃えた家具が全部無駄になるから」(うろ覚え、ニュアンスです)と語っていたのが忘れられない。私も同じことを考えたことがある。

 

・2/26、大手町三井ホールに、「mitsume Live Recording」というライブを見に行った。ミツメというバンドについて、私はメンバーの顔もパーソナリティもバンドとしての来歴も、本当に何も知らないのだが、ただただ彼らの音楽が好きというだけで、今回ついにライブに足を運んでしまった。このライブは、普段のミツメのレコーディングをステージ上で行うというコンセプトのライブだった。会場には大きなガラス窓があって、まだ明るいうちから始まったライブの会場には、自然の光がたくさん差し込んでいた。ライブでは既存曲がアレンジされて演奏されるため、毎回イントロを聴いただけでは何の曲なのかわからないのだが、ボーカルが入って曲名がわかった瞬間、会場の空気が一変する感じが、この形式のライブならではの体験だと思った。最後の曲が、私がミツメを好きになったきっかけの曲である『煙突』だったことも本当に嬉しかった。会場の空間を丸ごと揺らすようなギターのイントロが鳴った後、ボーカルによってこれが『煙突』だとわかった瞬間、涙が止まらなくなってしまった。夕暮れの大手町のビル群をバックに大好きな曲を演奏するミツメの姿を、私は一生忘れないと思う。

煙突

煙突

  • ミツメ
  • ロック
  • ¥204
  • provided courtesy of iTunes

 

・3/18、3回目のワクチン接種を受ける。今回は打った直後からなんとなく腕が重い気がする。帰りにスーパーで、水と解熱剤といなり寿司を買って帰った。私は昔から、風邪や熱の時にはなぜかいなり寿司が食べたくなる。消化には良くなさそうだけど。案の定、夜中に38度近くまで熱が上がったが、解熱剤を飲んだら次の日の朝にはすっかり下がっていた。しかし、起きても特にやることもないし、何となく怠さは残っていたので、結局一日中ずっと布団の中でだらだらして過ごした。最近、「真空ジェシカのラジオ父ちゃん」が好きすぎて、ポッドキャストで過去回を遡って聴いている。この日だけで4エピソードくらい聴いてしまった。二人の会話はもちろんのこと、コーナーが抜群に面白い。あと川北さんの声が好きだ。

 

・4/6、久しぶりの出社。多分10月ぶりとかだと思う。プロジェクトの先輩と直接顔を合わせるのはまだ2回目だ。お昼ご飯は、先輩たち4人と食べに行くことになったのだが、普段はトレーナーの先輩以外とあまり雑談をする機会がないので、どんな話をして良いのかよくわからなくて、ずっと愛想笑いをしていた。自然と先輩たちは、同じ部署の他の社員の話で盛り上がり始めたのだが、あの人はこういうところがある、みたいな他人の噂話をしているのを聞くのが、私はとても苦手だ。私も陰では色々言われているんだろうなということを考えてしまって、勝手に傷ついてしまう。でも、基本的に人が集まった時に始まる話というのは、だいたいいつでも「その場に集まった人と関係性のある、その場にはいない人の話」で、私はそういう時、毎回どうしようもない居心地の悪さを感じてしまう。生きづらい。もっと人と、メチャメチャにどうでも良い雑談をしたい。味噌汁にサツマイモを入れるのにハマっている話とかさ。

 

・5/7、冬用の毛布をしまう前に洗濯しようと思い、コインランドリーへ行く。面倒くさくてずっと放置していたけど、いざ行ってみると、コインランドリーという場所は楽しい。洗濯物がぐるぐると回る様子はいつまでも見ていられたし、乾燥機からふかふかホカホカになって出てきた毛布を抱きかかえたら、とんでもなく幸せな気持ちになってしまった。

 

箇条書きおわり。