思い出の中を泳いでいる

来週こそはちょうど良い秋服を買うぞ、と毎週末に意気込んでは先送りにするのを繰り返しているうちに、もうすっかりコートが必須な季節になってしまった。

布団とシーツを早々に冬仕様に変えたら、気持ち良すぎて朝なかなか布団から出られなくなり、在宅勤務なのを良いことに毎日ギリギリまで寝る生活を送っている。ふわふわのおふとんって本当に最高。

ここ1ヶ月は仕事がそこそこ忙しく、ほぼ毎日のように残業をしていたし、11月頭には資格の試験を受けなければいけなかったので、ずっと心に憂鬱を抱えたまま過ごしていた。勉強自体は昔からそれほど嫌いじゃないけど、受かるか受からないかの瀬戸際くらいにしか仕上がってない試験の受験日が着々と迫ってくるというのは、かなりメンタルを削られる。それも無事に終わって、今はとてもほっとしている。

とにかく慌ただしい10月だったのだが、その隙間で、本当は、ここに書き残しておきたいと思うようなエンタメにもたくさん出会った。というわけで、今更すぎるが、10月の私を支えてくれたものについて書いておく。

 

13日には、梅田サイファーのライブを観に行った。人生最初で(おそらく)最後の、新木場コーストでのライブだった。f:id:yuki04r:20211110214126j:image

ライブは全曲撮影もOKだったのだが、運良くめちゃくちゃステージに近い位置で見ることができたので、スマホを持つことすら忘れてひたすらに踊った。とにかくただただ楽しかったのだけど、今回のライブではこのタイミングで梅田を離れていったメンバーもいれば帰ってきたメンバーもいて、そういう中で、いつもの曲がまた違った色を帯びて聞こえてきたことに心が揺さぶられたりもした。一人一人の感情と人生そのものが音に乗っていて、それを生でぶつけられた気がした。

ライブの最後をこの曲で締めていたことにも、かなりぐっときた。

いつかまた (feat. KBD, tella, コーラ, peko, KZ, teppei & R-指定)

いつかまた (feat. KBD, tella, コーラ, peko, KZ, teppei & R-指定)

  • 梅田サイファ
  • ヒップホップ/ラップ
  • ¥255
  • provided courtesy of iTunes

ライブが楽しければ楽しいほど、この幸せな時間の終わりが迫っていることに気がついた瞬間、どうしようもなく悲しい気持ちが襲ってきてしまう。だけど、ライブの終わり際、日常に戻っていく前に、「いつかまた会える」と思わせてくれたことに、とても救われる思いがした。久しぶりのライブだったけど、やっぱりライブで貰うエネルギーは凄まじい。最寄り駅に着いたのは22時過ぎだったが、約2時間踊りまくってお腹がぺこぺこだったので、欲のままに駅前のセブンでカツサンドを買って、家に帰ってから食べた。好きな音楽を大音量で浴びた後、深夜に腹ペコで頬張るコンビニのカツサンドの美味しいことよ。

 

配信は、ダウ90000の『旅館じゃないんだからさ』を観た。事前に目にした評判がどれもあまりにも良かったので、かなり期待して観てしまったのだけど、それも全て余裕で超えてきて、ぐんぐん引き込まれた。構成も台詞回しもすごいし、何より配役に説得力がありすぎると思った。一人一人の声や顔立ちや雰囲気と、劇中のキャラクターが何の違和感もなく合致している。それで先日、M-1の3回戦の動画を見たら、そこでもこのままのキャラクターで漫才をしていて驚いた。素のキャラクターがそのままあの演劇(コント?)に落とし込まれているのだとしたら、そりゃあれだけしっくりくるよなと納得してしまった。また機会があれば作品を見たい。

 

早稲田松竹で、『チャンシルさんには福が多いね』と『逃げた女』の2本立ても観た。『逃げた女』の、淡々としているのにどこかずっと不穏な、あの雰囲気が忘れられない。カメラのズームの仕方が独特で、実家のビデオカメラで撮った映像のようなぎこちなさも違和感の理由かもしれないと思った。今年に入ってから、韓国映画をよく観に行っている。

 

最後に、10月よく聴いた音楽を貼る。

Listen

Listen

  • パソコン音楽クラブ & ayU tokiO
  • エレクトロニック
  • ¥255
  • provided courtesy of iTunes

アルバム丸ごとめちゃくちゃ良い。仕事中によく聴いていた。

Funny Bunny

Funny Bunny

  • provided courtesy of iTunes

これは完全に空気階段の影響。この曲を紹介Vに使うのはずるい。というか、キングオブコントも10月のことなんだな。10月、マジで長かった。

賞レースを観て泣いてしまったのは初めてだった。優勝後の踊り場の生放送はリアタイした。

Leave my planet (feat. 鋼田テフロン)

Leave my planet (feat. 鋼田テフロン)

  • テークエム
  • ヒップホップ/ラップ
  • ¥255
  • provided courtesy of iTunes

リリース以来鬼のようにリピートしている。何か作業をしながらでも聞き流せる耳心地の良さなのだが、ふとした瞬間に意識の中に入ってくる言葉に、心がぎゅっと掴まれる。叙情的だけどリアルで、ロマンティックだけどグロテスク。「朝にはちゃんと帰りますmy earth だってこの星で生きなきゃいけないからさ」に毎回泣きそうになる。この先もこの星で生きていかなければいけないんだという力強さと、ちょっとした絶望。

 

 

日常がしんどかったぶん、お笑いや音楽に救われて、忘れられない瞬間の余韻の中を生きているような、そんな一ヶ月だった。一つ肩の荷が降りた今月(と言ってもだいぶ過ぎてしまったが)は、積ん読状態の本や漫画をどうにかしたい。あと、部屋の掃除をするぞ!