夜の散歩
もう11月も末だというのに、まだそこまで冷えきらずにいる冬の空気の心地よさがうれしくて、最近はよく、1人で夜に散歩をしている。
そこそこの人通りで灯りがちゃんとあって、かつなるべく平たな道を選びながら、だいたい1時間ちかく、近所をぶらぶらと歩く。
散歩のお供は、音楽かラジオだ。最近はどちらかというと音楽を聴くことの方が多い。
わたしは一度気に入ると、飽きるまでずっと同じものを聴き続けてしまうタイプの人間なので、最近は、梅田サイファーの『梅田ナイトフィーバー'19』をひたすらリピートしている。
まず、この曲は何よりトラックが良い。
ディスコ調で、音は明るいのにどこかセンチメンタルで、懐かしさを感じる。それが私の中の何かにめちゃめちゃに刺さってくる。
過去と未来が交差するようなリリックもたまらなく好きだ。
サイファーやクラブの情景が浮かんできてノスタルジーを感じると同時に、次の未来を見据える真っ直ぐさも感じられて、勝手に想像して、胸がいっぱいになってしまう。
夜の街灯の明かりの中で聴くのが、この曲には一番合っていると思っている。
イヤホンから曲を流して、ビートに乗りながらただただ歩く。
散歩中にこれを聴いている時は、こんなに色々考えているわけではないけれど、ふいに意識の中に入り込んでくる言葉に、突然心を掴まれたりするのがまた良い。
こんな季節がずっと続けばいいのにね。