食べることは

友人に影響されて、最近は、毎週末にパンを焼くことにハマっている。強力粉とドライイーストさえ買ってくれば、あとは水と砂糖と塩を混ぜるだけで、ふかふかもちもちのパンができる。こんなにシンプルで良いだなんて知らなかった。一次発酵後のパン生地が、むくむくと膨らんでボウルいっぱいに大きくなった様子は、毎回見るたびに嬉しくなるし、オーブンから取り出したパンの匂いが部屋中に充満する瞬間には、この上ない幸せを感じる。何より、自分で作ったパンはなんとも可愛くて、毎回焼き上がりを写真に収めたくなってしまう。

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これは、好きなラジオ番組を垂れ流しながら焼いたパン。平日追えなかった分のタイムフリーを消化しながら週末にパンを焼くの、我ながらとても良い趣味だと思っている。

 

家事の中では料理が一番好きだ。ご飯を作っている時間は、一番「生活をしてる」という実感を持てる。というかどちらかというと、「生きている」の方が近いかもしれない。食べることはそもそも好きだが、栄養を考えて夜ご飯のおかずを一品足したり、彩りを良くするために出来上がった料理に小ネギを散らしてみたりすることは、それをこれから食べる自分のためだけにやっていることで、そう考えると、なんだかとても不思議なことのように感じてしまう。自分のためだけにやっていることなので、もしかすると、一度どうでもよくなってしまったら、食事はただ空腹を満たすだけのものになってしまう可能性だってある。そんなことを考えながら、今日も私は、自分のためにオムライスにハートを描く。

 

 

救われたい夜

先週はずっと、なぜだかとんでもなく気分が落ちていて、もうこの世の全てを呪ってしまいそうなくらいの勢いでどろどろの精神状態だったのだが、その原因がおそらく生理前だったからだということにようやく気がついた。たまーにこういう周期が訪れることがあるのだが、たまになのでいざとなると忘れてしまう。逃げ恥の新春スペシャルで、妊娠中のみくりさんが、「泣きたくて泣いてるんじゃないの、ホルモンバランスが崩れて……」って言いながらわんわん泣きじゃくっていたのを思い出したけど、ほんとそれなんだよな。自分でも訳がわからないけど、何もかも全てが嫌になって、あと急に昔の嫌なことを思い出したりとかしちゃって、突然涙が止まらなくなる。ホルモンバランスとかいうヤツ、マジで許せないけど、どうにかうまく付き合っていくしかないんだろうな。あとこういう時、誰かに対してイライラしたりそれをぶつけたりしてしまうことがないから一人で良かったなと思う一方、一人だと、どろどろ状態から完全に自分の力で抜け出さなければいけないのが辛いなとも思う。

 

平日の夜中に、急に思い立ってパウンドケーキを焼いた日があった。そうしないとやってられなかった。一般的に「面倒臭い」とされている、粉を振るうという作業が、私は結構好きだったりする。真っ黒になったバナナもあったので、それも使ってしまいたかった。普段使わないオーブン機能を使うときというのは、ちょっと特別な気分になれるのも良い。焼きあがるまでの時間、ちゃんと膨らんでくれますようにとケーキのことを見守りながら考える時間は、最も身近な「祈り」の時間だなと思う。無塩バターなんて無いので有塩バターで妥協したが、味見したら全然問題なくてほっとした。むしろ少し塩気がある方が美味しいじゃんと思った。

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(途中焦げそうだったので慌ててアルミホイルを被せた)

それにしても、ケーキは焼いた翌日の方が生地が馴染んで美味しいと言われているが、焼きたてを目の前にして一切れ食べずにいられる人なんているのだろうか。

 

 

 

夕暮れのオフィス街に溶け込むように

いつの間にか5月になっていてびっくりする。気がつけば3ヶ月弱もここに来ていなかった。

ブログを書いていなかった間、新人OJT期間が終了して社会人2年目にぬるっと突入したり、初めて住む街で初めての一人暮らしを始めたりした。一人暮らしを始めてから、毎日とにかく色々なことをググりまくっている。スーパーで買ってきた肉の保存の仕方、ゴミの捨て方、台所の排水溝の掃除の仕方…などなど。これまで20数年生きてきたけど、本当に知らないことばかりだと思った。まだ一人での生活を始めて1ヶ月と少ししか経っていないが、今のところは、「生活」を自分の力で進めていくということそのものが、とても楽しい。

書いていなかった期間も、印象に残った出来事を書き溜めていたので、箇条書きで書いていく。

 

・2/19、大学のゼミの同期と卒業式ぶりに会った。会うことになったきっかけは、『偶然と想像』を同じ日に見に行っていたことで、感想のやり取りをしているうちに、久しぶりに会おうということになった。ゼミの同期たちとは、共通のコンテンツをきっかけにして今でも時々連絡をとりあう仲でいられることが嬉しい。カフェでお茶をしているときに、最近聴いているラジオ番組の話になった。(彼女は、こういう話ができる数少ない友人でもある。)その中で、「過去の放送回を聞き返すと、その当時、自分が何をしながらその話を聴いていたのかについて鮮明に思い出せる」という話で共感しあった。私の場合、特に外を歩いている時に聴いた話は、どこの道をどんな風に歩きながら聴いていたのかまで、とてもとても具体的に思い出すことができる。ずっと不思議だったけど、同じ体験をしている人がいるのはますます不思議な気持ちだ。以前「あちこちオードリー」で星野源さんがゲストだった時に、「感情は道に焼きつく」という話をしていたことがあった。その言葉が今でも印象に残っているのだが、これも似た現象なのだろうか。

 

・2/23、美容院で、『ダヴィンチ』の朝井リョウとDJ松永の対談を読む。その対談の中で、二人でいるときに「人が死ぬということ」についての話になったことがある、というくだりがあったのだが、その中で、DJ松永が死にたくない理由について、「こんなに配置やデザインを考えて揃えた家具が全部無駄になるから」(うろ覚え、ニュアンスです)と語っていたのが忘れられない。私も同じことを考えたことがある。

 

・2/26、大手町三井ホールに、「mitsume Live Recording」というライブを見に行った。ミツメというバンドについて、私はメンバーの顔もパーソナリティもバンドとしての来歴も、本当に何も知らないのだが、ただただ彼らの音楽が好きというだけで、今回ついにライブに足を運んでしまった。このライブは、普段のミツメのレコーディングをステージ上で行うというコンセプトのライブだった。会場には大きなガラス窓があって、まだ明るいうちから始まったライブの会場には、自然の光がたくさん差し込んでいた。ライブでは既存曲がアレンジされて演奏されるため、毎回イントロを聴いただけでは何の曲なのかわからないのだが、ボーカルが入って曲名がわかった瞬間、会場の空気が一変する感じが、この形式のライブならではの体験だと思った。最後の曲が、私がミツメを好きになったきっかけの曲である『煙突』だったことも本当に嬉しかった。会場の空間を丸ごと揺らすようなギターのイントロが鳴った後、ボーカルによってこれが『煙突』だとわかった瞬間、涙が止まらなくなってしまった。夕暮れの大手町のビル群をバックに大好きな曲を演奏するミツメの姿を、私は一生忘れないと思う。

煙突

煙突

  • ミツメ
  • ロック
  • ¥204
  • provided courtesy of iTunes

 

・3/18、3回目のワクチン接種を受ける。今回は打った直後からなんとなく腕が重い気がする。帰りにスーパーで、水と解熱剤といなり寿司を買って帰った。私は昔から、風邪や熱の時にはなぜかいなり寿司が食べたくなる。消化には良くなさそうだけど。案の定、夜中に38度近くまで熱が上がったが、解熱剤を飲んだら次の日の朝にはすっかり下がっていた。しかし、起きても特にやることもないし、何となく怠さは残っていたので、結局一日中ずっと布団の中でだらだらして過ごした。最近、「真空ジェシカのラジオ父ちゃん」が好きすぎて、ポッドキャストで過去回を遡って聴いている。この日だけで4エピソードくらい聴いてしまった。二人の会話はもちろんのこと、コーナーが抜群に面白い。あと川北さんの声が好きだ。

 

・4/6、久しぶりの出社。多分10月ぶりとかだと思う。プロジェクトの先輩と直接顔を合わせるのはまだ2回目だ。お昼ご飯は、先輩たち4人と食べに行くことになったのだが、普段はトレーナーの先輩以外とあまり雑談をする機会がないので、どんな話をして良いのかよくわからなくて、ずっと愛想笑いをしていた。自然と先輩たちは、同じ部署の他の社員の話で盛り上がり始めたのだが、あの人はこういうところがある、みたいな他人の噂話をしているのを聞くのが、私はとても苦手だ。私も陰では色々言われているんだろうなということを考えてしまって、勝手に傷ついてしまう。でも、基本的に人が集まった時に始まる話というのは、だいたいいつでも「その場に集まった人と関係性のある、その場にはいない人の話」で、私はそういう時、毎回どうしようもない居心地の悪さを感じてしまう。生きづらい。もっと人と、メチャメチャにどうでも良い雑談をしたい。味噌汁にサツマイモを入れるのにハマっている話とかさ。

 

・5/7、冬用の毛布をしまう前に洗濯しようと思い、コインランドリーへ行く。面倒くさくてずっと放置していたけど、いざ行ってみると、コインランドリーという場所は楽しい。洗濯物がぐるぐると回る様子はいつまでも見ていられたし、乾燥機からふかふかホカホカになって出てきた毛布を抱きかかえたら、とんでもなく幸せな気持ちになってしまった。

 

箇条書きおわり。

鬼も笑うわな

年末に投稿した記事で、「2年目になったら急に仕事に忙殺される日々を送っている可能性も大いにある」なんて書いていたが、2年目どころか、年が明けた瞬間から毎日残業続きの生活になった。ほんと、先のことなんて全くわからないな。とりあえず落ち着いたので、しばらくぶりのブログです。

ゴリゴリ文系の学部を出ておきながら情報処理系の仕事をしているのだが、データベースやらクラウドやらと、目の前の画面とを行き来するデータのことを考えるときの頭の中の感じは、哲学の授業を聞いているときのそれに似ているなと最近よく思う。実態として目には見えないけれどたしかに存在しているもの(データ)を、想像上のどこかと現実世界とで行き来させるかんじ、イデア界のことを一生懸命理解しようとしているときの頭の中と同じだな、みたいな。そんなことを喋れる相手もいないので、ここに書いてみる。

 

年が明けてからのこの2ヶ月弱のわたしはというと、唐突に某アイドルグループに沼落ちして、退勤後の時間を彼らの公式YouTubeチャンネルを観ることに費やしたり、そのせいで今まで毎週楽しみに聞いていたラジオを追えなくったり、お互いいいねをし合うくらいの関係性だったけどとても好きだった趣味垢のフォロワーさんが、何も言わないまま突然アカウントを消したことに人知れずショックを受けたりして過ごしていた。周りもわたし自身も、変わっていくことは当たり前で、なのにそれが時に少し寂しかったり、ちょっぴり傷ついたりしてしまう。本当に勝手なもんですね。

書いていて、ふとこの曲のことを思い出したので貼っておく。

できるだけ

できるだけ

  • J-Pop
  • ¥255

『How's it going?』って、嵐の3枚目のアルバムらしいのですが、3枚目にしてこれらの選曲って、なかなかに攻めてるよな。

 

この春、実家を出て、ついに一人暮らしを始めることを決めた。一人になることで、自分がどんな風に変わるのか、(はたまた変わらないのか)、怖くもあり、楽しみでもある。

暮れの元気なご挨拶

晦日や元旦なんて所詮誰かが勝手に決めたもので、そんなものが存在しなければ、生活はこれからもずっと地続きで続いていくだけなのに、勝手に区切ってんじゃねえよ

そういった旨のことをDJ松永がまくし立てて、すかさずR-指定が「お前みたいなやつのために区切りがあんねん」とアンサーし、相方をなだめる。深夜番組でのそんな一幕を見て、完成されたコンビプレーに笑いつつも、続いていく日常に区切りが設けられていることの有難さについて考えてしまった日があった。たしかに明日になって年が明けたところで、私は今夜の晩御飯の残りを食べるし、大掃除をやり残したままの箇所は決して綺麗になったりなんてしないけれど、こういう区切りみたいなものがないと、人間頑張れないのかもね。

2021年は、学生から社会人という大きな区切りの境目を跨いだ年だった。社会人になってからは、当たり前だが、日々本当に新しいことだらけで、特に配属されてからは、来月の自分が何をしているのかの想像が全くつかないまま、あっという間に年末までたどり着いたような感覚だ。12月は特に忙しく、毎日仕事のことばかり考えていた。ただ、就職活動でたまたま辿り着いたこの職種は、幸いにも非常に性に合っているようで、仕事じたいは今のところとても楽しい。だから、不安で仕方なかったこの一年は、案外良い年になったのではないかなと思っている。

「変わらざるを得ない場所に出たとき、自分が今好きなもののことを、同じように好きでいられるとは限らないのかもしれない」というのは、学生最後の春休みに『花束みたいな恋をした』を観た私が日記に残していた感想だ。来月の自分が何をやっているかすら想像がつかないのに、来年の自分がどうなっているかなんてさっぱりわからないし、2年目になったら急に仕事に忙殺される日々を送っている可能性も大いにあるが、来年も、できるだけ自分の好きなものを大切にして生きていけたらいいなと思う。あともうちょっと頻繁にブログを書けるようにしたい。書きたいことはいっぱいあるのよ。

というわけで、来年もどうぞよろしくお願いします。

ほんとうに雑記

 

朝食のときに、ホットココアを飲むことにハマっている。レンチンした牛乳に粉を溶かして作るやつ。わたしは朝から飲み物でテンションを上げようとする節がある。そしてハマるとしばらくはそればかり飲み続ける。去年の冬は、インスタントコーヒーを少量のお湯で溶かし、温めた豆乳を注いで作る豆乳ラテにハマっていたし、今年の夏の間は、100%のオレンジジュースブームだった。100%オレンジジュースを添えるだけで、いつものご飯がホテルの朝食みたいになる(気がする)のでオススメです。個人の感想です。

 

最近は、毎週末に人と会う用事が何かしらあるので、わりかし心が満たされている。

誰かと会う予定が増えるのに伴い、ここ長らく大人しかった物欲が突如大復活を遂げてしまったため、先日、久しぶりに「服を買う」という明確な目標のもとで買い物に出掛けた。持ち前の優柔不断さを一番に発揮するのが服を買う時なので、こういう場合の買い物は一人で行くことにしている。一人で行った方が相手に気を遣う必要がなくて気が楽で良い。

服を買いに行くたびに、店員さんに話しかけられるのが本当に苦手だなと思い直す。見てるだけですから!!!というオーラを纏っているつもりなのに、そんなのお構いなしに、服を手に取ってみた瞬間速攻で声をかけられる。本気で買うか迷ってるときならまだしも、マジで見てるだけのときはマッッジで見てるだけなので、丁寧に説明を始められたりするととても申し訳ない気持ちになる。切り上げ方もわからなくて、えへへみたいな変な笑い方で軽く誤魔化してしまう。他の人は一体どういう風に店員さんと会話をしているんだろうか?

だいぶ話が横道に逸れたが、最終的には欲しかったピスタチオカラーのハイネックのニットと、着回ししやすそうなチャコールグレーのニットを買えた。この冬たくさん着たい。

 

11月末には友人と旅行にも行った。バスツアーに申し込んで、1泊2日で白川郷と金沢を観光した。

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これは白川郷で撮った写真。

旅行に行くたびに、その場所で日常を送っている人のことを考える。こういう、ザ・観光地の場合は尚更だ。わたしが今体験している非日常は、誰かにとっては日常の中の当たり前の風景なのだなと思うと、不思議な気持ちになる。

今回の旅は、ほとんどフリータイムだったのでゆっくり観光できたし、泊まる場所の手配や移動の時間の計算をしなくて良いのが本当に楽で、バスツアー最高じゃんと思った。道中では、2、3時間に一度くらいのペースで各地のパーキングエリアに寄れるのも良かった。パーキングエリアでソフトクリームを食べるのが大好きなのだが、今回は季節的に寒すぎてさすがに食べられなかった。

 

と、ここまで書いてずっと下書きに入れっぱなしにしている間に、いつのまにか12月が半分すぎていた。聴いたラジオの話とかもしたかったけどとりあえずまた今度。今日のM-1、楽しみすぎますね。

思い出の中を泳いでいる

来週こそはちょうど良い秋服を買うぞ、と毎週末に意気込んでは先送りにするのを繰り返しているうちに、もうすっかりコートが必須な季節になってしまった。

布団とシーツを早々に冬仕様に変えたら、気持ち良すぎて朝なかなか布団から出られなくなり、在宅勤務なのを良いことに毎日ギリギリまで寝る生活を送っている。ふわふわのおふとんって本当に最高。

ここ1ヶ月は仕事がそこそこ忙しく、ほぼ毎日のように残業をしていたし、11月頭には資格の試験を受けなければいけなかったので、ずっと心に憂鬱を抱えたまま過ごしていた。勉強自体は昔からそれほど嫌いじゃないけど、受かるか受からないかの瀬戸際くらいにしか仕上がってない試験の受験日が着々と迫ってくるというのは、かなりメンタルを削られる。それも無事に終わって、今はとてもほっとしている。

とにかく慌ただしい10月だったのだが、その隙間で、本当は、ここに書き残しておきたいと思うようなエンタメにもたくさん出会った。というわけで、今更すぎるが、10月の私を支えてくれたものについて書いておく。

 

13日には、梅田サイファーのライブを観に行った。人生最初で(おそらく)最後の、新木場コーストでのライブだった。f:id:yuki04r:20211110214126j:image

ライブは全曲撮影もOKだったのだが、運良くめちゃくちゃステージに近い位置で見ることができたので、スマホを持つことすら忘れてひたすらに踊った。とにかくただただ楽しかったのだけど、今回のライブではこのタイミングで梅田を離れていったメンバーもいれば帰ってきたメンバーもいて、そういう中で、いつもの曲がまた違った色を帯びて聞こえてきたことに心が揺さぶられたりもした。一人一人の感情と人生そのものが音に乗っていて、それを生でぶつけられた気がした。

ライブの最後をこの曲で締めていたことにも、かなりぐっときた。

いつかまた (feat. KBD, tella, コーラ, peko, KZ, teppei & R-指定)

いつかまた (feat. KBD, tella, コーラ, peko, KZ, teppei & R-指定)

  • 梅田サイファ
  • ヒップホップ/ラップ
  • ¥255
  • provided courtesy of iTunes

ライブが楽しければ楽しいほど、この幸せな時間の終わりが迫っていることに気がついた瞬間、どうしようもなく悲しい気持ちが襲ってきてしまう。だけど、ライブの終わり際、日常に戻っていく前に、「いつかまた会える」と思わせてくれたことに、とても救われる思いがした。久しぶりのライブだったけど、やっぱりライブで貰うエネルギーは凄まじい。最寄り駅に着いたのは22時過ぎだったが、約2時間踊りまくってお腹がぺこぺこだったので、欲のままに駅前のセブンでカツサンドを買って、家に帰ってから食べた。好きな音楽を大音量で浴びた後、深夜に腹ペコで頬張るコンビニのカツサンドの美味しいことよ。

 

配信は、ダウ90000の『旅館じゃないんだからさ』を観た。事前に目にした評判がどれもあまりにも良かったので、かなり期待して観てしまったのだけど、それも全て余裕で超えてきて、ぐんぐん引き込まれた。構成も台詞回しもすごいし、何より配役に説得力がありすぎると思った。一人一人の声や顔立ちや雰囲気と、劇中のキャラクターが何の違和感もなく合致している。それで先日、M-1の3回戦の動画を見たら、そこでもこのままのキャラクターで漫才をしていて驚いた。素のキャラクターがそのままあの演劇(コント?)に落とし込まれているのだとしたら、そりゃあれだけしっくりくるよなと納得してしまった。また機会があれば作品を見たい。

 

早稲田松竹で、『チャンシルさんには福が多いね』と『逃げた女』の2本立ても観た。『逃げた女』の、淡々としているのにどこかずっと不穏な、あの雰囲気が忘れられない。カメラのズームの仕方が独特で、実家のビデオカメラで撮った映像のようなぎこちなさも違和感の理由かもしれないと思った。今年に入ってから、韓国映画をよく観に行っている。

 

最後に、10月よく聴いた音楽を貼る。

Listen

Listen

  • パソコン音楽クラブ & ayU tokiO
  • エレクトロニック
  • ¥255
  • provided courtesy of iTunes

アルバム丸ごとめちゃくちゃ良い。仕事中によく聴いていた。

Funny Bunny

Funny Bunny

  • provided courtesy of iTunes

これは完全に空気階段の影響。この曲を紹介Vに使うのはずるい。というか、キングオブコントも10月のことなんだな。10月、マジで長かった。

賞レースを観て泣いてしまったのは初めてだった。優勝後の踊り場の生放送はリアタイした。

Leave my planet (feat. 鋼田テフロン)

Leave my planet (feat. 鋼田テフロン)

  • テークエム
  • ヒップホップ/ラップ
  • ¥255
  • provided courtesy of iTunes

リリース以来鬼のようにリピートしている。何か作業をしながらでも聞き流せる耳心地の良さなのだが、ふとした瞬間に意識の中に入ってくる言葉に、心がぎゅっと掴まれる。叙情的だけどリアルで、ロマンティックだけどグロテスク。「朝にはちゃんと帰りますmy earth だってこの星で生きなきゃいけないからさ」に毎回泣きそうになる。この先もこの星で生きていかなければいけないんだという力強さと、ちょっとした絶望。

 

 

日常がしんどかったぶん、お笑いや音楽に救われて、忘れられない瞬間の余韻の中を生きているような、そんな一ヶ月だった。一つ肩の荷が降りた今月(と言ってもだいぶ過ぎてしまったが)は、積ん読状態の本や漫画をどうにかしたい。あと、部屋の掃除をするぞ!