食べることは

友人に影響されて、最近は、毎週末にパンを焼くことにハマっている。強力粉とドライイーストさえ買ってくれば、あとは水と砂糖と塩を混ぜるだけで、ふかふかもちもちのパンができる。こんなにシンプルで良いだなんて知らなかった。一次発酵後のパン生地が、むくむくと膨らんでボウルいっぱいに大きくなった様子は、毎回見るたびに嬉しくなるし、オーブンから取り出したパンの匂いが部屋中に充満する瞬間には、この上ない幸せを感じる。何より、自分で作ったパンはなんとも可愛くて、毎回焼き上がりを写真に収めたくなってしまう。

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これは、好きなラジオ番組を垂れ流しながら焼いたパン。平日追えなかった分のタイムフリーを消化しながら週末にパンを焼くの、我ながらとても良い趣味だと思っている。

 

家事の中では料理が一番好きだ。ご飯を作っている時間は、一番「生活をしてる」という実感を持てる。というかどちらかというと、「生きている」の方が近いかもしれない。食べることはそもそも好きだが、栄養を考えて夜ご飯のおかずを一品足したり、彩りを良くするために出来上がった料理に小ネギを散らしてみたりすることは、それをこれから食べる自分のためだけにやっていることで、そう考えると、なんだかとても不思議なことのように感じてしまう。自分のためだけにやっていることなので、もしかすると、一度どうでもよくなってしまったら、食事はただ空腹を満たすだけのものになってしまう可能性だってある。そんなことを考えながら、今日も私は、自分のためにオムライスにハートを描く。