3/1〜7の日記

3/1

ファーストデーなので映画を観に行こうと思い立ち、キネマ旬報シアターに『燃ゆる女の肖像』を観に行った。柏駅に降り立ったのは初めてで、思ったより都会で驚いた。

柏には始まる2時間前に到着してしまい、先に映画館でチケットを購入した後、時間を潰すためにスタバに入った。チャイティーラテのショートを飲みながら、図書館で借りた『蛇にピアス』を読んだ。終始血の匂いと痛みの感覚がつきまとっていて、ドキドキしながらページをめくって、ものすごい勢いで一気に読んでしまった。まだあまり自分の中で噛み砕き切れていないのだけど、なんとなく思ったのは、生きることへの執着、またその目的の中に、わたしたちは他人の存在をどうしたって必要としてしまうのかもしれないなということだ。というかこの本、おしゃれなジャズが流れるスタバのカウンター席で読むものではなかったなと思った。

映画は16時半からだったのだが、開始5分前になっても観客が私しかおらず、本当に始まる直前になっておばあさんが一人入ってきて、結局私とそのおばあさん2人の貸切上映だった。ファーストデーなのに。映画は、とにかく映像が美しくて、どの瞬間も絵になるなと思った。

 

3/2

大学の成績が発表される日だったので朝からドキドキしていたが、無事卒業できることがわかってほっとした。お昼からは大学の友人と大学の近くでご飯を食べる約束をしていたので電車に乗った。ご飯を食べながら色々な話をしたが、気がつくと話の方向が、大学生活がもう終わってしまうことへの焦りと、あと1ヶ月もせず社会人生活がスタートしてしまうことへの不安の話へと向かってしまう。みんな同じ気持ちを抱えているのだなと思った。ご飯の後は、社会人生活に向けて会社の近くへ引っ越した友人の新居に初めてお邪魔して、人生で初めて桃鉄をやった。夜は塾講師のアルバイトに行った。

 

3/3

以前買った左右社の『仕事本』をやっと読み始めた。昨年4月の緊急事態宣言下をどのように過ごしていたのか、様々な職業の人々が日記に書いたものをまとめた本なのだが、一人目の文章から引き込まれてしまった。ブログやエッセイもそうだけど、こういう、何気ない日常の中で起こったことや感じたことなど、極めて個人的なことを丁寧に綴ってある文章を読むのが私はとても好きだ。当たり前だけど、自分とは違う人生を送る人の一人一人が、それぞれの生活を営んでいて、それが同じ日本の中で同時並行的に続いているのだということを改めて認識させられる。そしてそのことを想像するたび、私は不思議な気持ちになって、クラクラしてきてしまう。この本はまさに、そういった市井にいる、年代も性別もバラバラの人たち一人一人の生活を掬い上げている記録の本で、遠くの誰かの生活と心を感じられて優しい気持ちになった。まだ読み途中だけど、大事に読んでいきたい。日記の中で、顔も名前も知らない遠くの誰かが、自分と同じエンタメを日々の心の支えにしていたり、同じものを見聴きして自分とは別の方向に思考を巡らせたりしていることを知ることがあって、それも良かった。

これを読んで、去年の自分は緊急事態宣言下で何をしていたか気になってきてしまい、毎日つけている、自分のためだけに書いている日記を書いたときぶりに読み返してみたら、去年の4月はがっつり就活中で、しかも進んでいた選考が一旦全て中断してしまったタイミングだった。終わりが見えない就活への苛立ちと、ESの提出期限と面接の時期が被らなくなったことへの少しの安堵が、思うままに、ぐちゃぐちゃの文章で綴られていて、去年のこの時期は本当に先が全く見えない中を日々進むしかなかったなと思い出した。それと同時に、就活生の私は完全に自分のことでいっぱいいっぱいで、そこが『仕事本』で書かれていた社会人の人たちの日記との大きな違いのように感じた。コロナ禍の中で、自分の生活を進める(守る)ことと同時に、自分の仕事を通じて社会をも前に進めること。そういう社会と個との繋がりがあの本からは感じられて、幼稚な感想なのだが、単純に、大人ってすごいと心底思った。

 

3/4

朝起きて布団の中で見たツイッターで、私が寝ている間に深夜ラジオ界がニュースでいっぱいになっていたことを知った。それから一日かけて、料理や部屋の片付けなどの作業をしながら昨晩のラジオをタイムフリーで一つ一つ聴いていった。不毛な議論に乗り込んだ若林さんがあまりにもかっこよかった。夜は塾講師のアルバイトに行った。この日は急遽小学生の国語を任されたのだが、普段中高生ばかりなので可愛くて仕方がなかった。

 

3/5

一日中何の予定もない日。あまりにも暇だったので、友人に連絡して、今度いちご狩りに行かないかと誘った。「行きたい!🍓🍓🍓」とのご機嫌な返信がきて嬉しかったのだけど、日程がどうしても合わずまた別の機会にということになってしまった。悲しい。

 

3/6

朝起きてケータイを見ていたら、かが屋の加賀くんが復活とのニュースが流れてきて朝から嬉しい気持ちになった。「みんなのかが屋」の配信を買うことに決めた。

この日も一日中家にいた。夜ご飯(鍋)を作りながら、霜降り明星のann0をここにきて初めてタイムフリーで聴いた。トークはもちろんだけどネタコーナーがめちゃめちゃ面白い。お名前を聞いたことがある職人さんがたくさんメールを読まれていた。

 

3/7

2年ぶりにサークルでお世話になった先輩に会う約束をしていたので、東京に出た。まず、待ち合わせをした北参道のビストロで、イタリアンのコースランチを食べた。コースは、前菜、ブッラータチーズとトマトのカプレーゼ、ボロネーゼ、ティラミスとカプチーノが出てきて、どれも本当に美味しかった。普段こんなにちゃんとしたお店に行くことはほとんどないのだけど、以前、平野紗季子さんのエッセイを読んで以来、「食体験」にお金をかけることって素晴らしいなと思っていたので、こういう場所で食事ができて嬉しかった。

そのあとは、原宿→代々木公園→代々木上原→下北沢の順に、途中カフェやギャラリーに寄り道をしながら歩いた。歩きながらずっと、今読んでいる本のことや、最近見た映画、共通の友人の話や、将来のことまで、色々な話をした。私たちは趣味の範囲が似ているようで、アンテナの向く方向がちょっとずつ違うので、話すたびに興味が広がって面白い。ただ、久しぶりにこんなに歩き回ったのでヘトヘトになった。

帰宅したらR-1グランプリがちょうど始まったところで、夕飯を食べながら観た。賀屋くんを応援していたけど、ゆりやんが2本とも圧倒的で、優勝が決まって素直に嬉しかった。